OMI税理士法人のコラム
法人化のメリット・デメリット(総論)
個人事業から法人化のメリットとしては一般的に、
①税金面のメリット
②信用面のメリット
③経営面のメリット
が挙げられます。
これらに関して具体的にメリットがあるか検討し、法人化のメリットを具体的にイメージできれば、法人化に向けて会社設立を検討してみると良いと思います。
当然、法人化することによって費用がかかる等のデメリットもありますが、法人化のメリットとデメリットを比較してメリットの方が大きいと判断できれば、安心して会社設立に進めると思います。
また、会社設立のメリットとして、節税が一般的によくクローズアップされていますが、それはある程度既に事業が採算ベースに乗っていて、利益が出ていることが前提です。
そもそも事業が儲かっていなければ、大事なのは資金繰りであって、節税を考える必要性はありません。
一から事業をスタートする方が法人化を検討する上で、最も重視すべきことは営業上の②信用面のメリットが挙げられます。
個人事業であるがゆえに、取引先から口座を開設してもらえなかったり、取引量が制限されたり、現金払いを求められたりといった不利な条件で取引を強いられることは実際よくある話です。
よって、営業面では法人化した方が有利なのは間違いないため、今後、事業を発展・拡大させていくのであれば、法人化すべきと言えます。
また、会社組織であれば、事業上の借金・債務は会社に帰属するため、万が一、事業が上手く行かず倒産したとしても、会社の借金・債務から個人の財産を守ることも可能です。ただし、融資に関しては実務的に代表者の連帯保証が一般的に求められるため、法人化してもリスクを負うことになります。
個人事業の場合は、最終的に個人の財産で弁済しなくてはならないため、金額の大きな取引をするとリスクは高くなります。このように、攻め・守りの点からも、本格的に事業をやるなら会社が有利と考えられます。
逆にサイドビジネス程度でやる場合は、個人事業としてリスクを取らない範囲で経営するのがよいでしょう。